2022年4月13日水曜日

医師に対する評価


医師は様々な方法で様々な角度から評価を受けています。患者さんやその家族はもちろん、コメディカルスタッフ、雇用主である経営者、同僚・上司(指導医)・部下である医師など。その評価はかならずしもすべて一致するわけではなく、「あの先生は患者さんの受けはいいのに、看護師には嫌われている」とか、「あの先生は経営者からは高評価なのに、現場スタッフには不人気」などなど。

そもそも人が人を評価するなんて、判定基準やチェックリストがあるわけでもなく、すべて一致するわけはないのだけれど、そうはいっても病院という閉鎖空間では、その人の仕事や人物評価の総体が職場の雰囲気につながるの、で決して安易に考えることはできません。

一般的な医師の評価で最も信用があると思われるのは、一緒に働く看護師の評価だと思っています。看護師は現在でも施設よって違いがあるとはいえ、8割前後は女性職員。女性だからということではないが、医師の指示の下に様々な業務を行う看護師の医師に対する評価は個々でみれば「個人の好き嫌い」にかなり依存することは否定しません。ただそれらの評価が複数積み上がると、個人の評価が全体評価にかなり近似してくることをよく経験します。つまり一部の看護師に評価が高い医師がいても、同じ医師に対する他の大半の看護師の評価が低ければ、後者の評価はかなり信頼性が高いと言って良い、ということです。ただその逆(大半の看護師評価が高い医師が一部の看護師に不評)という場合は、低い評価に引っ張られることもあり得るので注意が必要という側面もあります。

一方で、患者さんからの医師の評価は高い評価と低い評価に極端にぶれやすく、一般的には治療の経過が良好であれば高評価になりやすく、経過が思わしくない場合には低評価になりがちです。医師をしている以上、すべての患者さんに良好な結果を与えられるとは限らないため(私失敗しないので。。。という医者は世の中どこを見渡しても存在しない)、経過が良くないときにどのような対応をし、説明や治療を行うかが問われているということです。

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